国際理解科目・課題研究
国際理解科目
国際理解推進行事などを通じて国際感覚を育成する事は、これまでも多くの学校で実践しており、本校でも積極的に推進しています。しかし、本校の最大の特色は、毎日学ぶ教科・科目の中に国際理解を促進することを主目標にした教科・科目を系統的に位置づけていることです。必要な知識・技能・能力・態度等を教科・科目の学習を通して学べるように配慮したのが国際理解科目です。
どの科目も工夫された授業展開となっています。レポート作成や実習など自ら進んで学習する姿勢が求められます。教える側も、学ぶ側も苦労が多いのですが、専門分野の研究者や民間の実務者などをお招きし、直接指導を受ける科目も多く、それぞれに魅力ある学習内容となっています。
国際理解に関する各科目は下図に示すように3領域に大別され、それぞれ4科目で構成されています。全員が必ず履修しなければならない必修科目(青字)と自由選択科目(黒字)があります。
領域 | 科目 | 内容 |
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文化理解 | 国際地理 | 人間と文化のかかわり、世界の諸地域の民族と文化をとりあげ、文化の多様性について理解し、文化の交流や変容と発展について学習します。 |
日本文化 | 伝統的な文化から現代文化、アイヌから沖縄まで日本文化についてさまざまな観点から学習します。 | |
伝統芸能 | 九世観世銕之丞先生から能の仕舞・謡いを直接教えていただき、学年末には表参道の能舞台のうえで一人ずつ仕舞と謡を発表できるという、本校独自の贅沢な授業です。 | |
日本の伝統武術 | 武道および日本発祥の体操・スポーツ文化について学びます。 | |
外国文学 | 神話、民話、世界の名作、児童文学、シェークスピアなど様々なジャンルに及ぶ文学作品を鑑賞します。 | |
社会理解 | 国際関係 | 戦後の国際政治や国際経済の動向を踏まえ、国際的な諸問題について学習し、理解を深めます。 |
社会生活 | 「さまざまな人権問題」「社会問題」をテーマに、ディスカッション・専門家の講演・関連施設の社会見学等を行い、複雑な現代社会を生き抜くための術を「人権」というキーワードによって考えます。 | |
地域研究 | 国際高校周辺や渋谷のフィールドワーク(地域調査)をはじめ,国際都市東京の地形や歴史,都市の機能や地域の課題など様々なテーマを通して、地域の特性についての理解を深めます。 | |
福祉 | 家庭福祉、障害者福祉、高齢者福祉、福祉制度と歴史、ボランティア活動などについて、施設見学や実習を交えた授業を行っています。 | |
環境・表現 | 環境科学 | 地球環境問題全般を学習するとともに、自然科学の基礎知識の修得を目指します。 |
コミュニケーション | 対人コミュニケーション、異文化コミュニケーション、マスコミュニケーションについて、ワークショップ形式で学びながら、自己表現能力を高めます。 | |
映像A | デジタルカメラを用いた写真撮影を中心に、写真の理論、撮影技術・編集技術などを実習します。校外での撮影や写真美術館に出かけます。 | |
映像B | デジタルビデオカメラによる撮影とコンピューターを使った編集の技術を実習します。制作を通じて、映像表現に関する様々な理論を学んでいきます。 | |
演劇 | 発声練習から始まり、身体表現、即興劇の練習、メイキャップや着付けの実習、ジャズボーカルに挑戦したりします。 |
課題研究
「課題研究」とは、自分で設定したテーマについて、調査し、論文を書き、発表する、総合的な学習活動です。担当の指導教諭の助言を得ながら、2年次に1つ、3年次に1つ、合計2つのテーマについて研究に取り組みます。本校では、開校2年目の平成2年度から国際学科の専門科目として取り組まれており、現在は2年次・3年次の「総合的な学習の時間」として位置付けられています。学校で設定された時間外での自主的・自発的な活動が求められます。
近年のテーマ例
- 「マーケティングにおけるデザイン戦略と2つの性格」「犬の殺処分」
- 「EUの概要、問題、その未来について」「目の錯覚と脳の関係」「異文化順応」
- 「ヴァイツゼッカーが伝えたこと」「大衆音楽の歌詞と女性キャリアデザイン」
- 「児童養護施設」「サブサハラ・アフリカ地域における教育格差と経済の関係」